(1)はじめに

日本の全人口の14人に1人が遊んでいるパチンコ・パチスロは大衆娯楽として根強い人気を誇ります。パチンコ店は1930年頃に全国で1号店がオープンし、スロットマシンとしてスタートしたパチスロは、1980年頃より遊戯器具として多くの人に親しまれております。

最近では、これらの遊技器具は、漫画やアニメのキャラクター、そして芸能人がイメージキャラクターとなって人気を博しています。また、液晶技術の進歩により、遊技台の中央に配された大画面液晶からは華やかな演出がなされ、これぞまさにエンターテインメントといった趣もあります。

”HARAKENZO more ではパチンコ・パチスロ業界の皆様を応援し、意匠登録の理解に役立つ情報を提供すべく、このようなページを設けました。

(2)パチンコ、パチスロの意匠について

パチンコ器具は、意匠分類ではパチンコゲーム機、パチンコゲーム機部品及び付属品、パチンコゲーム機用表部品、パチンコゲーム用玉容器、パチンコゲーム用枠体のおおまかな5つに分けられます。一方、スロットマシンは、スロットマシーンゲーム機、スロットマシンゲーム機部品及び付属品の2つに分けられます。

Eグループ(遊技娯楽用品)
(株式会社東北新社 左から登録意匠1519290、1514581、1514582号)。

上述していますように、近年ではアニメ・漫画やTVドラマとタイアップして、これらの作品を取り上げたパチンコ・パチスロが主流となっております。

これらの意匠は、パチンコゲーム機の枠体について意匠登録を受けており、ベースとなった作品の世界観を表現しています。

Eグループ(遊技娯楽用品)
(アサヒ電機株式会社 登録意匠1276024、1276431、1276432、1276433号)。

これらの意匠は、遊技用表示灯に係る意匠です。

遊技用表示灯とは、パチンコ、スロットマシン等の遊技用器具の上部に設置されるデータ表示部のことです。大当たり回数や確変回数、回転数等が主に表示されています。データが重視される現在、パチンコ、パチスロには必須のものです。

これらの意匠は関連意匠制度を使用しています。

関連意匠制度とは一つのデザインコンセプトから生まれたバリエーションの意匠を保護することにより、厚い保護を受けることができます。

[Point]
2020年4月1日に施行された改正意匠法では、基礎意匠※の出願日から10年以内であれば、基礎意匠の関連意匠及び当該関連意匠に類似する意匠を出願することが可能になりました。改正後の関連意匠制度について詳しくはこちらをご確認下さい。
※最初に本意匠として選択した一の意匠を「基礎意匠」といいます(意匠法第10条第7項)。

(3)パチンコ器具、スロットマシンの類否判断について

下の画像は、パチンコ,スロットマシン等の遊戯用器具の上部に設置されるデータ表示部の部分意匠について、実際に争われた事件です(平成27年(行ケ)第10004号)。

Eグループ(趣味娯楽用品)
(大一電機産業株式会社 登録意匠1264441号)

この事件では、黒色の液晶表示部分について、本件意匠が引用部分意匠1~4と類似するか、また、本件意匠が引用部分意匠1~4に基づいて容易に創作できたか否かが争われました。

知的財産権高等裁判所の判決は、本件意匠は、引用意匠1~4のどれとも似ていないし、また、1~4に基づいて容易に創作はできないとするものでした。

このように、意匠の類似および創作容易性の判断については、非常に専門性が高いものであるため、一般の方がおこなうことは困難です。

知らないうちに、第三者の意匠権の侵害をしているかもしれません。また、意匠として登録されないと思ったものが、登録されることもありえます。

ぜひ、お気軽に当所にご相談ください。

(4)パチンコ・パチスロ業界の皆様を応援します

パチンコ・パチスロ業界は日本の娯楽産業を支え、一般の利用者にとって大変身近な業界であり、また、特許技術をはじめ知的財産の世界と密接な関係のある業界でもあります。

”HARAKENZO more ではパチンコ・パチスロ業界の皆様を応援し、多種多様なご相談に対応できる体制を整えております。どうぞお気軽にご相談頂ければ幸いです。

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